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人種差別と野菜



今回ご紹介する記事のタイトルは

A Garden Is The Frontline In The Fight Against Racial Inequality And Disease

というものです。NPRというアメリカのラジオ番組からの記事です。


frontline というのは、戦場における「前線」という意味です。racial が人種の、inequality が不平等。diseaseが病気。言葉のままに訳すと


「庭は、人種の不平等と病気との戦いの最前線」となり、

何のことかわからないので、本文を読んでみると、


When police killed George Floyd outside a Minneapolis corner store, it reminded the world that racism can become lethal. But just a few miles away, on the north side of the city, racial inequality plays out in a more ordinary yet still harmful way: A lack of fresh food.


赤字の所に注目します。最初からショッキングですが、警察が殺した、とあります。

George Floyd さんという黒人の事件は、日本でもよく報じられていましたので知っている方も多いでしょう。2行目にracism can become lethal とあります。2行目のlethal とは、辞書で「致死の」、英英辞書なら cause death とあります。人種差別は死を招く、といったことになりますが、lethal が不明でも、前の行にpolice killed と書いてありますので、だいたいそんな意味だろうとは察しがつくでしょう。


3行目ですが、racial inequality が  ordinary にということなので、人種差別が身近な所で

play out →物事が「繰り広げられる、展開する」という意味です。play (演劇、上演する)だけでも何となくわかりますね。身近な所で人種差別がある。その次に 

A lack of fresh food. とあります。fresh food は新鮮な食べ物。人種差別と新鮮な食べ物?

新鮮な食べ物がどうしたの?想像してみましょう。


誰の話かというと、黒人さんの話。黒人さんというと、人種差別。貧富の差。ということは、新鮮な食べ物が lack of で、無いんだな(不足)とわかります。

racial inequality plays out in a more ordinary yet still harmful way. ジョージフロイト事件のすぐ近くの場所でのお話ですが、身近な問題でありながらも harmful (=害のある)な問題であるということです。


Protests after Floyd's death damaged and shut down the only full-service grocery store within a 3-mile radius of North Minneapolis. For two months, what remained were dozens of fast food and convenience stores. Access to fresh food has been a struggle for decades, but now it's compounding the health effects of the pandemic. Chronic conditions like obesity, hypertension, and diabetes all linked to a poor diet — are putting people at higher risk of serious illness and death from COVID-19.


唯一のgrocery store(生鮮食料品店:スーパー)が shut down(閉店)してしまい、コンビニとファーストフードの店しか残っていない(remain)。

3行目にAccess to fresh food has been a struggle for decades とあります。decades とは  何十年という意味で、新鮮な食べ物へのアクセスが何十年も a struggle とあります。どう考えても、この流れ(店が閉まり、ファーストフードとコンビニしかない)で言うと、大変そうだとしか思えませんね。想像の通り、struggle とは、戦い、苦闘する(=a long hard fight)という意味です。簡単に言うと、It is (has been) difficult to get food for a long time. ということです。

何十年間も新鮮な野菜が手に入らないのに、そこに追い打ちをかけるように pandemicです。


どうなるか、想像がつきます。obesity=肥満、hypertension= high blood presssure、diabetes=糖尿病。a poor diet (粗末な、不健康な食事)によりそれらの病気となると、コロナに感染するとどうなるか。ご承知のように、基礎疾患(=underlying medical conditions と言います)があると、at higher risk of serious illness and death from COVID-19. 重篤化、死亡のリスクが高まります。 野菜を食べないといけないの野菜が手に入らない。そのような危険な状態に、黒人のコミュニティーはあるというお話です。


A group called Appetite for Change is trying to lead the community down a different path, teaching others to grow their way to healthy food. Co-founder Princess Haley, a teacher, says the mission is to improve the local diet. During the pandemic, the group has been harvesting artichokes and leafy greens to supply boxes of free produce every week to 300 local families.

そこでAppetite for Change という団体が立ち上がり、というお話です。appetite というのは、食欲という意味です。変革への食欲(=意欲)という面白いグループ名の人たちが様々に活躍しているということです。野菜を作るという団体ですが、みんなで作って、野菜をどうするのでしょうか。やはり売るのでしょうか。答えは最後の赤字の箇所です。


すごいですね。このグループを立ち上げた黒人女性のリーダー2人も、やはりこの活動を始めざるを得ない、黒人特有のつらい過去があります。


授業では、コロナ禍で、ただでさえ大変な状況なのに、つきまとう人種差別の壁と人々の苦闘を英語で読み、考え、自分のこととして感じ、自分ならどう思うか、社会としてどうするべきか、どう考えるか、本文の英語を読み解きながら、表現を学びつつ、英作を応用して、自分の言葉で、自力で英語を話す練習を行います。


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